静寂な風を呼び起こす言葉たち(幸坂かゆりさん)
ミメイさんの「ミ・メディア」が届いて何日か経ちました。
やっと、ココロの中から言葉として表せそうです。
この本は「つめあわせ」だから、対談や色々な企画が載っている。
でも、もったいないから、一日ひとつ、と決めて、読んだ。
そして、小説を読む段階になった時は、手が汗ばんだ。
どきどきした。
そして、読んだ。
いつも思うのはミメイさんの世界にはいつも静寂が存在しているという事。
賑やかな人物ももちろん登場する。
けれど、ヒロインはいつもそこに凛として、立っている。
今回、改めて読んだゴザンスの800字なども縦字になると、
こんなに雰囲気が変わるのだ、と思った。
やっぱりミメイさんの文章には縦字が似合う。
所で、その小説であるが、
ヒロイン達がすーっと自分に沁み込んで行く感覚を味わった。
「金魚」のヒロインや「牡丹」の美冬という女性など、
彼女達は受動的だ。
自分で行動を起こすことさえ、何かに動かされているようだ。
けれど、確実に人を惹きつける。
それは美しく儚い花のように。
彼女達にむらがるのは蜂や昆虫かも知れない。
どんな種類のものであっても恐ろしいほど、彼女達は受け容れる。
ひらひらと。静かに。
同じ静寂でも「絵物語」はまた違う印象だった。
これは先に「絵」を見てそこから話を起こしたものだ。
ふたつの物語に出てくるふたりの女性は、静かだが快活だ。
日常の温かい家庭を愛するひとだ。
辛い現実の中で、優しさを見出そうとする彼女達が愛おしかった。
くすっと、笑わせてもらう幸せ。
必要なのはそんな他愛無い事だと思う。
読んでからもう一度、絵を見た。
スギモトキョウコさんは、編集者であると同時に、
こんな素敵な絵も描かれるのか、と感心。
そして、九鬼ゑ女さんの絵はせつなかった。
丸い水差しの中の憂いを秘めた瞳はひとなのかモノなのかわからない。
物語を読んだ後に眺めると、涙が出てしまった。
が、
しかし、
ラストの「天糸瓜」を読んで、
今度はそのふたつの人格がひとつに結びついた。
それも恐ろしく。
受動的であることが、押さえつけていた能動的な部分を
破壊してしまったような小説だった。
「・・・・ぽたん」という擬音にトラウマを抱いてしまいそうだが、
言葉少なで、的確で、素晴らしい作品だった。
しかし、やはり魂を抜かれたのだろうか?
私まで言葉少なになってしまう。
感想、とは「想いを感じる」事だ。
感じたものを言葉に変換するのは、なんて難しいんだろう。
一つ自分でわかったのは、ミメイさんの世界が、
どうしても好きであるという事。
私は静かで生々しいものが好きだ。
怒るときも、
傷つけるときも、
静かに、そうして欲しい、と願う人間だった。
同じ方法で刺激を与えるならせめて、静かに言って、と思う人間だった。
今更ながら気づいて、驚いた。
だからこそ、やはり静かな狂気は惹かれる。
ミメイさんの作品に溢れるその静けさを私は愛してやまない。
++++++
クミコさんとの対談でもミメイさんは喋りながらも、
静かなひとのように思えた。
静かに熱い想いを語るって、素敵。ふふふ。
ご主人・ミメオさんが語るミメイさんもおちゃめで可愛い。
うむむ。
日常を知っている人物にしか書けないものだわ。
ちょいミメオさんにジェラシー(笑)
「ちょっとふしぎな15の質問」では、6人のものを創る方が
ミメイさんの質問に答えているが、さすがどの方も個性的。
しかし、こういう質問が浮かぶミメイさんも個性的(笑)
どうも話が終わらなくなりそうで恐ろしいので
この辺にしておきましょう。
ホントはまだまだ言いたい。
でも、ぜひそれは実際に読んで頂きたい。
一家に一冊、田川未明。
行商人になって売りたいくらいだ。
(2004/10/04)
元記事URL:http://remember-the-kiss.blog.drecom.jp/archive/219
First Kiss http://remember-the-kiss.blog.drecom.jp/
ミ・メディアを読んでくださったみなさんからいただいた感想、ブログに書いていただいた記事を、それぞれの方の許可をいただいて転載させていただきました。(元記事がウェブ上に残っている場合は、そのURLも併記しリンクしています)
■218ページ ■A5版 ■1,500円
田川未明・著(監修:ゴザンス編集部) 発行:バーチャルクラスター
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